この記事を読んでほしい人
- これからスモールビジネスを考えたいがどんな順番で考えるべきか分からない
- なんとなくビジネスイメージは持っているが良いビジネスアイデアか判断できない
この記事で分かる事
- 良いビジネスアイデアの条件3つ【一般論/独自メソッド】
- 考えるべき3条件の順序
- Will-Can-Mustフレームワークの概要
- ビジネスアイデアに転用する時の注意点
この記事は、10年以上にわたりエンジン開発と新事業企画を手がけ、2000万人以上に商品を届けてきた筆者が、自身のキャリアを振り返って体系化した「自己理解と強みを活かしたスモールビジネス創出メソッド」をもとに執筆しています。大企業の中で評価された本質的な成果と、海外ビジネスやスモールビジネスに応用されてきた「現場起点のリアルな方法論」です。
【一般論】良いビジネスアイデアの条件3つ
それは、やりたいこと(Will)、できること(Can)、求められていること(Must)を満足するビジネスと言われています。
もともとこのフレームワークはキャリアを考える上で考案されたものですが、良いビジネスの条件としてもしばしば登場します。キャリア形成においてMustは”企業”に求められている事となりますが、起業する/自身で事業を行う場合は”社会に求められていること”として解釈されています。
- Will:自分がやりたい事、夢、達成したい事
- Can:才能、スキル
- Must:社会に求められている事
この3つを同時に満たすビジネスアイデアが自分の才能も活かしながらやりたい事を実現し、社会の役にも立つ、イケてるビジネスアイデア、という事になります。
しかしこのフレームワークをビジネスアイデアに転用した際にはいくつか落とし穴があると考えています。
Will-Can-Mustフレームワークをビジネスに転用する場合の難しさ
非常によくできたフレームワークですがビジネスアイデアに転用した場合には注意すべき点があります。
Will①:そもそもやりたいことがない(見つかっていない)
Willの部分、ここは会社に所属していれば、”〇〇を担う部署の部長として△△の意思決定を行う仕事がしたい”であるとか、”定時に帰って家族と過ごしたい”とか、出てくると思います。
しかし、会社のキャリアを取り払った途端、明確にこうしたいというやりたい事が分からなくなってしまう場合も多いのではないでしょうか。VUCAの時代と言われるように、変動、不確実、複雑、曖昧な社会に変化している事に加えて、選択肢が多すぎる世の中で、自分のやりたい事はこれです、と断言できる人は少数派でしょう。
Will②:概念上、意味が広すぎる
Willという言葉は、概念が広く、夢や願望やどうなりたいか?などが含まれます。例えば、
- 資産1億円ほしい
- スキルを活かした仕事をしたい
- 海外に住みたい
ここには、一億円という”対象”があったり、スキルが活きるという”状態”であったり、海外に住むという”環境”だったりします。一億円はWillではなく目標とすべきですし、スキルが活きるはCanで検討されるべきものです。
概念上なんとでも捉えられるものはCan、Mustと掛け算するものとして扱いづらいです。
Must:社会に求められていることの範囲が膨大
会社であれば明確に企業側の要求はありますし、範囲もたかが知れているので人事部であれば把握する事は可能でしょう。ただ、社会に求められている事は膨大です。マクロな社会問題から、ミクロな悩み事まで様々です。対顧客なのか、対企業なのかでも異なります。一つ一つ調べて、当てはまるのかを見ていくことは、現実的ではありません。
その結果、3条件を満たすにはどうすればよいか?を考えるものとして機能しない
この3つの条件を満たすにはどうすればよいか?という本来やりたい思考ができなくなり、むしろうまくいったビジネスに対して後から、「このビジネスはほら、3つすべて満足するでしょう?」となってしまいます。
概念上ふわっとしていたり、検討すべき対象が膨大すぎて、しらみつぶしに検討することはほぼ不可能です。スモールビジネスを考える上では、ビジネスアイデアを3条件を満たすように調整していくという心構えが重要です。
ビジネスを進めていく中で、Willは醸成されていく部分もありますし、Canも増えていきます。
逆にビジネスアイデアを価値観の合うように調整する事もできます。
では具体的にどうすればよいのでしょうか?
【独自】自分に合ったビジネスアイデアを考えるフレームワーク~価値観、強み、顧客ニーズの3つを兼ね備えるべし~
「私は〇〇の強みを活かし△△の顧客ニーズに対し□□を提供する。それは価値観に合致するものである。」と思えたらより自分のビジネスに自信が持てるのではないでしょうか。
- 価値観(Willに該当):信念。思考特性。方向性を示すもので達成される事はない考え方。
- 強み(Canに該当):生まれ持った才能、後天的に身に着けたスキル
- 顧客ニーズ(Mustに該当):顧客の理想状態や心理(Beニーズ)、行動に関するニーズ(Doニーズ)、欲しいと思う欲求(Haveニーズ)
顧客ニーズについては下記のページで解説していますのでよければ参考にしてください。

このように、スモールビジネスにおいてはWillを価値観とする事で、信念を反映します。Mustは顧客ニーズとする事で、より提供する価値をシャープに描きます。
価値観、強み、顧客ニーズは2周回せ!
Will-Can-Mustのフレームワークでよく議論になるのが、どの順序で考えるべきか?という事です。
- Can(強み)やWillから始めるべきという、コーチング系(が多いと思っている)。
- Must(顧客ニーズ)から始めるべきという、起業家系(が多い気がする)。
私は、異なる順序で2周回すべきだと思っています。
1週目は、強み➡顧客ニーズ➡価値観。2周目は、顧客ニーズ➡強み➡価値観 です。理由を説明します。
1週目、まずはざっくりコンセプトを考える事が重要だからです。先ほども述べた様に、顧客ニーズからしらみつぶしに考えていっても、その課題、自分が解決できるのか?とすぐに行き詰ります。
自分の強みを把握し、それを活かして何ができそうかを考えるべきです。そして、自分ができそうな事をベースに具体的な顧客ニーズを明確にしていきます。ここでできるのがざっくりコンセプトです。最後にそのコンセプトが価値観と一致しているのかを確認します。
2周目。ここでは顧客ニーズをより具体化していきます。ネットで色々調べたり、出来れば実際に顧客になりそうな人に話を聞いたりして、お金を払ってでも解決したい課題かどうかを見極めていきます。もちろん調べていく中で変化する事もあります。それに合わせて、自分の強みがどう活かせるのか(もしくは活かせないのか)を見極めていきます。ここで、強み領域から外れたら別のアイデアを検討した方が良いです。競合に勝てません。そして、最後に価値観に合っているか確認する。これによりコンセプトに磨きがかかり、自分の強みを活かしながら、顧客の強いニーズをとらえる事ができます。(しっかりコンセプト)
このように2周回す事で、考えやすい強みから検討しつつも、確度を高めながら顧客ニーズに応えるビジネスアイデアを作り出すことができます。
まとめ
良いスモールビジネスの条件3つ
- 自分の価値観に合っている。
- 自分の強みを活かすことができる
- お金を払ってでも解決したい、顧客ニーズにこたえる事ができる
当たり前の事の様に感じますが、3つを満たすビジネスアイデアを考えるのはかなり難しいです。
それを見つけるための方法は順序違いで2周検討する事です。
- 1週目、強み➡顧客ニーズ➡価値観(ざっくりコンセプト)
- 2周目、顧客ニーズ➡強み➡価値観(しっかりコンセプト)
自分の価値観が分からない方は下記のページも参考にして頂ければ幸いです。

もう少し詳細教えてほしい!などあればぜひコメント欄にお願いいたします。
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