自分らしいスモールビジネスの作り方|価値観×強みから始める6ステップ

事業コンセプトの作り方

はじめに

「好きなことで副業をしよう」──そんな言葉はよく聞きますが、実際に何から始めればよいかわからない。自分の強みや資質をどう活かせば、ビジネスになるのか?

本記事では、本業で大企業での事業開発をしながら、時給2600円の副業を作り上げた筆者が、「自分の資質を活かす」スモールビジネスの作り方を解説。単なる感覚論ではなく、ステップごとに深堀りして“構造的に考える”方法を6ステップで紹介します。

この記事を読むと分かる事
  • 実践的な「ざっくりコンセプト」の構築法

ここでいうざっくりコンセプトとは下記の構文が完成している事を指します。

【誰に】______に悩む〇〇に対して
【何を】______という変化を
【どうやって】______という手段で提供する

この記事を読み終わった時にはこのざっくりコンセプトが完成しているはずです。


Step0:価値観を明確にする|“生き方”を軸に据える

なぜ最初に価値観が必要なのか?

スモールビジネスは「自分の人生の時間」を多く注ぎ込む活動です。価値観に反した仕事は持続せず、いずれ疲弊します。逆に、価値観に沿った仕事は自然と力が入り、結果も出やすいでしょう。

価値観とは自分の人生で大切にしている方向性です。

単なる欲求や、好き嫌いではありませんし、明確な到達地点(ゴール)でもありません。むしろ永遠に到達することのない自分の中の軸です。

この価値観に沿っているかどうかはスモールビジネスによって幸福を得られるかどうかに大きく影響します。

たとえ、”お金のためであって、価値観に沿わなくても良い”、と考える場合でも一度整理しておくことをオススメします。

自分の価値観が分からない人は下記の記事で価値観を探る具体的な質問をまとめていますので参考にしてください。

自分の価値観が分からない人へ。価値観を知るための質問7選!
自分の価値観が分からない人に向けて、価値観という言葉の定義と類似する言葉との違いを解説しています。また、価値観を得るためにすべき事と具体的に考えるべき問いを7つご紹介しています。これにより、各々が自分の潜在的な価値観に気づき、よりよい人生を歩む事をサポートします。

Step1:強みを明確にする|資質 × 技術

スモールビジネスや副業と言えども、競合は存在します。自分の強みを活かせなければ、有象無象の中へ消えてゆきます。自分の強みを理解し、その強みや資質をビジネスに生かす事で長期的に成長する事ができます。

強みとは:資質(持って生まれた特性)×技術(磨いてきた力)

一つずつ説明します。

資質とは?

「ついやってしまうこと」「努力していないのに成果が出てしまう能力」のこと。ここには思考に関する特性や行動に関する特性も含まれています。

思考特性:物事の捉え方や考え方(例:抽象から考える/事実ベースで考える)

  • 物事を論理的に捉える
  • 抽象から本質を掴むのが得意
  • 問題点をすぐ見つける

行動特性:自然に取ってしまう行動パターン(例:すぐ動く/深く調べる)

  • アイデアが湧いたら即行動
  • 調べずにはいられない
  • 始めたら過集中する

これらは本人にとっては“当たり前”すぎて価値に気づかないことが多いのです。

しかし、自分にとっての当たり前は他人にとっての当たり前ではありません。自然と人よりも上手にできる、いわば資質です。この資質ともいえる特性と技術を掛け合わせる事で大きな強みとなります。

技術とは?

後天的に習得した、誰にでも学べる能力。

  • マーケティング
  • プログラミング
  • 資料作成やプレゼン
  • 営業トークや交渉術
  • 英語・資格など

重要なのは、技術だけでは“強み”にはならないということ。
“自分らしさ(資質)”が掛け合わされてこそ、技術が価値を生みます。

技術はすでに持っていればベストですが、今後学ぶ事ができますので、資質を踏まえて必要な技術を改めて棚卸してみるのも良いかもしれません。

具体的に強みを知るためのプロセスも下記で解説していますので良ければ参考にしてください。

「資質×技術」で強みを言語化する|自分の強みが分かる質問4選
自己理解を深めて自分の強みを見つけたい人に向けて「資質×技術」で言語化する方法を解説。ジョハリの窓に当てはめた自分の資質を知る4つの具体的な設問と、今まで培ってきた技術を掛け合わせて、自分にしかない強みを言語化できます。


Step2:相手(ターゲット)を見つける

自分の強みがどんな人に役立ちそうかを考えます。

手あたり次第に列挙する事でできればそれでも大丈夫です。なかなか思いつかない人は、強みがダイレクトに刺さるであろう顧客層を1つ考えます。

それを起点に

  • 個人↔企業
  • 男↔女
  • 若者↔高齢者
  • 都会↔田舎

など、時間、場所、業界、顧客層の視点を動かしながらアイデア出ししてください。

最悪、1つでもOKです。

例えば、”難しい問題を突破する中でメソッドを構築し伝える。”という筆者の資質と”事業企画”の技術を活かして、どんな人の役に立ちそうかを考えると下記の様なターゲット案が浮かんできました。

  • 新しい事業企画を考えなければならないが、良い戦略を立てられない企画担当者
  • 副業を始めたいが何をすればよいか分からないサラリーマン
  • 自分の得意な事でお小遣いを稼ぎたい子育て主婦
  • 新事業を始めたい中小企業の社長

この時点では、ペルソナレベルまで詳細化する必要はありません。あくまでターゲット層で記載するレベルでOKです。ペルソナは”ざっくりコンセプト”から”しっかりコンセプト”に昇華していく中で設定すべき項目です。

  • ペルソナ:架空の個人。サービスや広告の作りこみを行う上で重要。
  • ターゲット:個人ではなく属性。(40代男性のサラリーマンなど)

Step3|悩みに向き合う

顧客ニーズにはHaveニーズ、Doニーズ、Beニーズの3段階あります。必ずBeニーズまで立ち返って考えてみましょう。

例えば、自分の得意な事でお小遣いを稼ぎたい子育て主婦の場合は、下記の様に考えられます。

ニーズの種類 ニーズ➡悩みの例 アプローチ視点
Have 自由に使えるお金がない 表面的な問題
Do 貰うのではなく自分の手で稼ぎたい 顧客は何がしたいのか
Be 自由でありたい 顧客の理想的なありたい姿

強みがどのレベルの悩みに刺さるかを考えます。Haveニーズは具体的なプロダクトやサービスと対応する階層ですので、ざっくりコンセプトレベルではDoニーズまたはBeニーズに着目しましょう。

ニーズの3階層については下記の記事でも解説していますので必要に応じてご覧ください。

【事例あり】顧客ニーズを読み解き“欲しい!”を生み出す3ステップ

Step4:どんな変化を提供するのかを考える|Before→Afterで価値を定義

STEP2で設定したターゲットの悩みに対して、理想像を描いてみましょう。その理想とのGAPがあなたが提供すべき価値です。

Before→Afterの書き方

  1. Before(相手の悩みや課題)

  2. After(理想状態)

  3. この差分があなたの提供価値

例:

  • Before:お小遣いを自分らしくスモールビジネスで稼ぎたいが、スキルもないので何をしたらいいのか分からない。

  • After:スキルが無くても自分に合った稼ぎ方(ビジネス)の形が見つかり、行動に移せた。

  • 提供価値:価値観や強みの明確化とビジネス構築。具体的なアクションプラン。

この差が明確になるほど、コンセプトは刺さります。


Step5:どうやって提供するかを考える|手段の選択

提供価値は手段ではなく、”何を”届けるかです。これに対してどうやってそれを届けるのかを考えていきます。

例えば上記の例では、

  • 対面で提供
  • オンライン講座
  • 書籍を書く
  • ブログ
  • Youtube
  • SNS

など、手段は様々あります。手段選びは「相手の受け取りやすさ」の重なりで決めましょう。ユーザーに合った手段になっているか?という点は非常に重要です。主婦がターゲットの場合に対面、という手段は抵抗があると思います。10代がターゲットの場合は書籍よりもSNSで届けるなどターゲットに合った手段である必要があります。

自分が届ける事ができるのか?動画編集のスキルを持っていない、という人でも大丈夫です。スキルは後からでも獲得できます。運営が安定してきたら、編集は外注する事もできます。

一方で”資質”を活かせるか?という点は押さえておくべきです。資質を活かせない場合、ターゲットやニーズから見直したほうがあなたの勝率は高くなります。


Step6:ざっくりコンセプトに落とし込む|言語化と価値観の整合

構文:

【誰に】______に悩む〇〇に対して
【何を】______という変化を
【どうやって】______という手段で提供する

例:

【誰に】自分の強みが分からず、行動に踏み出せない会社員に対して
【何を】自分に合ったビジネスの形が明確になる変化を
【どうやって】構造思考×強み分析フレームワークで提供する

最後に、自分の価値観とズレていないかをチェックしてください。ズレがあると、後で違和感に苦しみます。


・まとめ

いかがでしたでしょうか。スモールビジネスにおける「作る」アプローチは、自分の強みと価値観を出発点に据えることで、他にはない“自分だけのビジネス”を形にすることができます。

この「ざっくりコンセプト」が固まれば、次は「真似る」アプローチで実績ある手法を参照しながら具体化していきます(しっかりコンセプト化)。その詳細も別記事で解説する予定です。

自分の資質で人生をドライブし価値観に沿って人生を歩んでいきましょう。

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